第6話 『「よくわからない」不動産仲介の仕組みとは?』


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 ★仲介手数料が必要な物件とは
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カウンセリングの時に、物件の広告を持っていらっしゃる方に
よくある2つの思い違いがあります。

・広告の物件を購入する時には全て仲介手数料が必要だと思っている
・広告を配布している会社の物件だと思っている


不動産の売買の取引態様には
・媒介
・売主
・代理
の3つがあります。

広告の紙面にはこれらの取引態様を必ず明記しなければなりません。
「媒介」がいわゆる「仲介」のことです。

この媒介物件を購入する場合は仲介手数料が発生します。

新聞の折込チラシや住宅情報誌などで物件の掲載をしている会社の多くは売主から「媒介」の依頼を受けた仲介業者です。

売主とは建売業者や個人のことで、その所有している物件を仲介業者が広告に掲載しているのです。
つまり、仲介業者が所有している物件を掲載しているわけではないのです。

ですので、同じ物件がいろいろな会社の広告に載っている場合もよくあります。

例えば、カメラ系の量販店の広告と比較をするとソニーのデジカメが○○○カメラや○○○電気で売っているのと同じです。
違いといえば、商品が住宅の場合は
・会社が違っても価格は同じ
・所有せずに販売のみをおこなっている
点でしょう。


また、建売業者(=売主)自ら広告を出す場合や新築マンションの場合は取引態様が「売主」「代理(または販売代理)」となりますので購入時に仲介手数料は発生しません。

しかし、中古の場合は戸建もマンションもほとんどが媒介ですので仲介手数料がかかるのです。

 
広告の取引態様をよく見てみてください。

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 ★大手仲介会社は売却が得意
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先日、ポストに、大手仲介会社3社のチラシが入っていました。
新聞の折込とは別にポスティングされたものです。

表面には、大きく「探しています」とか「求む」
裏面には、地域限定でいかにも探しているお客様の
具体的な条件が書いてあります。

皆さんの家のポストにもよく入ってくるのでは・・?

このようなチラシを信用して、売却の相談を持ちかけるお客様が多いのでどこの会社も同じ紙面になるのでしょうか。

無料査定だからと思って気軽に電話をすると大手仲介会社の営業マンはなんとか売却させようとします。

媒介契約を結ぶと売却活動を始めるのですがマンションと戸建の場合は若干売却活動が異なります。


【マンションの場合は】

彼らは「元付け※」となり、多くの物件の売却依頼を受けることが手数料収入になるので、媒介契約を交すとオンラインシステム「レインズ」に登録します。
(※「元付け」とは売主から売却を直接依頼されているということです)

もちろん自社のお客様にも販売活動はしますがたいていは「レインズ」にのせ、「客付け※」を待ちます。
(※「客付け」とは購入者の斡旋をすることです)

成約になった場合は、売主から仲介手数料はもらえますが買主の仲介手数料は客付けをした業者がもらいます。

【中古・土地の場合は】

彼らは「業販」(業者販売の略)と言ってまとまった土地を一括して建売業者に卸すことを最大の目的とします。

ですので、「探していますチラシ」の裏面のお客様の具体例も敷地は30坪以上、予算も1億前後の場合が多いのです。
(もちろん、本当に探している人も少しいますけどね)

けど、100坪など、まとまった土地では個人の買手を探すのは困難なのでたいていは業者に卸すのです。

建売業者は一般のお客様と違い値段さえ折り合いがつけば購入決定も早く、仲介手数料も支払ってくれます。

この場合、大手仲介会社には売主の個人と買主の業者双方から仲介手数料が入るのです。

このように、大手仲介会社は売却を中心に活動しているのです。

「無料査定」なんてちっともありがたくありませんよ。

当たり前です。

それをきっかけに何百万円の手数料が入るんですから。

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 ★地場に強い中堅仲介会社は購入が得意
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新築物件を多くチラシに掲載している会社は購入を目的としたお客様を中心に活動している中堅仲介会社です。

先程の大手仲介会社が媒介を受けて「レインズ」に登録した物件を「客付け」するのもこのタイプの会社です。

これらの会社はその他にも
・建売業者から販売を専任依頼されている物件
・これから販売を企画している物件
など大手仲介会社にはない、非常に多くの情報を持っています。

どちらかというと中古よりも新築を売りたがるのは売主が業者の場合ですと仲介手数料がもらえるからです。

大手仲介会社の営業マンと違い
このタイプの会社の営業マンは、ほとんどが歩合給ですので強引なセールスをしてくる場合もあります。

探し始めは、すぐに営業マンに物件案内を依頼せずに問い合わせ時に住所を聞いて、直接見に行くのが良いでしょう。

営業マンに見学に同行してもらうことで、物件の見方や知識を学ぶこともありますが相手のペースに乗ってしまい、断りきれなくなることもあるからです。

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