第3話 『折込チラシに買う物件は無い』


ひとくちにチラシといってもいろいろな種類があります。

●総合チラシ
 新築・土地・中古・マンションなど売り物件の情報がランダムに掲載
●単独チラシ
 週末にオープンハウスをする物件がメインに掲載
●求むチラシ
 売却物件を地域で探している方の具体的な条件などが掲載
●ポスティングチラシ
 一色刷りで1つの物件が掲載

そのうち、本日は総合チラシを取り上げます。


紙面のうちの多くは建売などの新築物件です。
では、どのタイミングで「新築」の表示はできると思いますか?

じつは、役所から建築確認の許可がおりた後でなければ、「新築」の表示はできません。建売業者が土地を取得して、プランを入れて、建築確認を取得するには1ヶ月以上はかかります。
さらに、そこからチラシに掲載されるまでに10日ほどかかります。合計すると仲介業者に情報が入ってからチラシに掲載されるまでは最低1ヶ月半はかかるのです。

その間にすでに問い合わせのあったお客様に対しての営業活動は盛んに行われています。多棟現場の中で、条件の良い物件などはこの段階で売れてしまうでしょう。

完成している物件ともなると公開されてから4ヶ月以上は経過しています。
(稀に完成まで公開しない物件もありますが)

ということは、チラシ物件そのものを期待しないほうがよいということです。前号のステ看板の時にもお話しましたが、チラシも業者側としては集客目的なのです。

営業マンを抱えているある程度の規模の仲介業者には同じ物件情報が多く入ってきます。(専任物件など一社しか扱えない場合もありますが)その情報の中で、どの物件を掲載するか、で反響の数が左右されます。

では、他社よりもいち早く物件の情報を掲載したい業者はどのような広告をうつと思いますか?

「え?!だって広告を出してはいけないんでしょ」

「建築確認が下りるまで待つしかないないんじゃない」

「う〜ん、普通に考えればそうなんだけどね…」


     ♪♪♪


実際にあったケースを3つ上げてみました。

◆ケース1
<建築確認がおりるまでは建築条件付売地として表示>
この物件の多くはそのうち新築に変身するでしょう。未完成の建売の場合にこの表示は違反です。

◆ケース2
<建築確認番号を載せずに「新築」の表示>
未完成物件の場合、建築確認番号は必ず掲載しなくてはなりません。

◆ケース3
<でたらめな建築確認番号を表示>
同じ物件が他社で掲載されている場合も多いので気になる物件は他社とよく見比べてみましょう。

いずれのケースも立派な広告違反です。
悪質なケースは売れている物件を掲載している業者なんかもいます。

こういうイケイケの業者はいずれ業務停止になるかもしれません。


(((●本日の教訓●))))))))


     チラシは業者を見極める材料として使いましょう



例えば、
パース(完成予想図)が多い…情報が早い
他社に掲載されていない物件が多い…販売力があり
毎週配布されている…資金力があり

同じ業者毎にチラシをファイルして、見極め問い合わせをすると良いでしょう。
新鮮で確実な情報を提供してくれるはずですよ。

さらに大切なのは営業マン選びですけどね。