第11話 『電話で問い合わせをしてはいけない、その理由とは?』


結論をお話する前に
お客様から問い合わせの電話を受けた際の営業マンは、次の3つの目的を
クリアしようとしていることを頭にいれておいてください。

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 目的1. 名前と連絡先(電話番号)を聞くこと
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「とりあえず自分達で物件を見に行きたいので、住所だけ教えて」
と言っても

お客様の名前と連絡先を聞くまでは教えてはくれません。

これを聞くために広告経費をかけているのですから
当たり前なのですが、実は他に2つ深いの理由があるのです。


1つは直見(※)されたくないということです。
(※直見(ちょっけん):営業マンが同行せずにお客様が直接物件を見に行くこと)

前にもお話しましたが、広告物件はお客様に問い合わせを
してもらうことが目的ですからいい物件とは限らないからです。

むしろ、いい物件ではないことが多いわけですからその物件を期待して
現地を見に行ったお客様は、期待ハズレだとこの会社の物件は良くなかったと
会社自体のイメージを悪く持つ方もいるのです。

そうなると、後日営業マンがそれ以外の物件を紹介してもなかなかアポが
とれなくなってしまうのです。


もうひとつの理由は
同じ物件が他社の広告にも掲載されていることが多いからです。

最近のお客様は同時に数社問い合わせをしている方が多いので
他社で同じ広告が掲載されていることがわかると、その会社で
買われてしまう可能性があるからです。

ほとんどの物件はオンラインで情報が公開されていますので
自社でしか扱えないのであることは少ないのです。

ですので、うかつに物件の所在地を教えたくないのです。


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 目的2. 探している物件の希望条件を聞くこと
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希望条件を伝えること自体はとても大切なことなので
それを聞かれることに問題があるわけではありません。

むしろお客様も優先順位や希望条件を整理した上で
問い合わせをする方がいい物件を紹介してもらえる可能性は高まります。

デキない営業マンは数打ちゃ当たる方式で数十件も物件を送ってくるので
FAX用紙の無駄にならないように要望をしっかりと伝えましょう。

しかし、

「急いでないので」の連発は禁句です。

断りきれないタイプというタスキをかけて登場するようなものです。

訪問販売をする業者が
家の玄関やポストに「押し売りお断り」と書いてある家の方が
売り込みをしやすいって聞いたことありますよね。

それと同じ理屈だと思います。

つまり、
物件を紹介されると断りにくい、いい物件だとすぐに買うかもしれない
と言っているのと同じです。

条件に合った物件がでてきたら紹介してくださいと
伝える程度でいいでしょう。


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目的3.即案(※)をとること
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※即案(そくあん):問い合わせの日に案内をすること

鉄は熱いうちに打て、じゃないですけど
問い合わせをしている時がいちばん見たい気持ちが高まっている時です。

その時がアポがとれる確率も高く、早く会えることによって
成約までの時間も短縮できるのです。

また、物件の案内をしたがるのは何故だかご存知ですか?
もちろん、直見されたくないことが一番ですが、他に2つ理由があります。

1つは、何件も案内することによってお客様の要望を詳しく
把握することができるからです。
電話で要望を聞くよりも物件を見てもらって生の声を聞くほうが
気に入りそうな物件をイメージできるのです。

2つめは、物件の案内が終わった後に会社に来ていただくためです。
待ち合わせの後に案内をすると、車できているお客様は
途中で帰ってしまうことがあるので、お客様の自宅に迎えに行った方が
来社していただく確率も高くなります。

会社に来ていただくことで、初めてクロージングができるのです。
ですので「即案」の約束をとりたいのです。

以上の営業マンの3つの目的を考えると
以下の結論となります。

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